パンの耳がすき

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【書評】人は助けてくれる人ではなく、助けてあげたい人を好きになる DaiGo『なぜかまわりに助けられる人の心理術』

あなたにとって、一番大切な人は誰ですか?
そしてその「大切な人」は、あなたをいろいろと助けてくれる人ですか?
それとも、あなたのほうが相手をいろいろと「助けてあげたい」と思う人ですか?
 
私たちは常に、大きな勘違いをしている。
 
例えば、母親は赤ちゃんが自分のために何もしてくれなくても、心の底からわが子を愛している。
また、大好きな恋人や友人のために、ついつい世話を焼いてしまう人も多い。
 
何が言いたいのかというと、人は大切な人を「助けてあげたい」と思う生き物なのであって、「助けてくれる人だから」という理由で人を好きになるわけではないということだ。
 
人は誰かに何かをやってあげることで、「自分は必要とされている」と感じられる生き物である。誰かを助けてあげた、誰かの役に立ったという精神的な充足感が、その人を幸せな気持ちにさせる。だから、相手に何かをやってもらうという行為は、めぐりめぐって「やってあげる側の人」を幸せにする行為でもあると言える。
 
反対に、「やってあげる」という行為には怖い側面がある。
尽くすことは、度を超すと強烈な「干渉」になる。
 
「過保護な親」「彼氏に尽くす女」というのが良い例である。
 
やりすぎてしまう人たちは「自分は相手のために頑張っている」と思っているが、実際はそうではなく、彼らは自分に自信がないので、尽くして、干渉していないと他人から必要とされていることを実感できないのだ。
 
しかし、どんな人にも親切を振りまいていけるわけではない。いつか必ずキャパオーバーになって、誰にも何も「やってあげる」ことができなくなる。
 
巷でよく、テイカーになってはいけない。ギバーになれ!という言葉を耳にする。
しかし、そもそも「ギブ」「テイク」とは何だろう。
 
他人に物や知識をあたえることのみが「ギブ」で、それを受けとることが「テイク」なのだろうか。
 
感謝の気持ちを伝える。話をきいてあげる。ただ側にいる。
 
十分にギブではないだろうか?
お互いが相手に何かをもらっていると感じ、感謝しあえる関係が広がっていくと素敵な世界になるのになあ。