パンの耳がすき

読書日記と、たまにカフェ日記。植物日記も。

【読書日記】10人のうち2人は親友になれる。

ときどき、全く知らない人と出会える場所に出向くようにしている。

 

それはちょっと刺激的で、楽しい。だけど自分の現状を話したりすると、相手の言葉に不用意に傷つくこともある。そんなとき、もう人になんか会いたくないと思う。

 

だけどあとから振り返ると、そういうときはただ視野が狭くなっているだけなのだとわかる。人はどうしても、悪い方にフォーカスしがちだ。暖かい目で見てくれている人も、そこには必ずいたはずなのに。

 

 たしかに、世の中は善人ばかりではありません。対人関係のなかで不愉快な思いにさらされることは、多々あるでしょう。しかし、このとき間違っていけないのは、いずれの場合も攻撃してくる「その人」に問題があるだけであって、決して「みんな」が悪いわけではない、という事実です。

 神経症的なライフスタイルを持った人は、なにかと「みんな」「いつも」「すべて」といった言葉を使います。「みんな自分を嫌っている」とか「いつも自分だけが損をする」とか「すべて間違っている」というように。もし、あなたがこれら一般化の言葉を口癖としているようなら、注意が必要です。

 

アドラー心理学では 、こうした物事の一部分だけを見て全体を判断する生き方のことを「人生の調和」を欠いた生き方だと考える。

 

大切なのはたった一部分だけを見て世界を判断しないこと。脳は不安要素を優先して探し出すようにできているということを心得ておくこと。ミクロとマクロの視点を持つこと。

 

 ユダヤ教の教えに、こんな話があります。「10人の人がいるとしたら、そのうち1人はどんなことがあってもあなたを批判する。あなたを嫌ってくるし、こちらもその人のことを好きになれない。そして10人のうち2人は、互いにすべてを受け入れ合える親友になれる。残りの7人は、どちらでもない人々だ」と。

 このとき、あなたを嫌う1人に注目するのか。それともあなたのことが大好きな2人にフォーカスをあてるのか。あるいは、その他大勢である7人に注目するのか。人生の調和を欠いた人は、 嫌いな1人だけを見て「世界」を判断してしまいます。

 

10人のうち2人が親友になれるというのはちょっと言い過ぎな気もするけれど。

だけどそれくらいの希望は持っておいても悪くないんじゃないかと思う。