パンの耳がすき

読書日記と、たまにカフェ日記。植物日記も。

【読書日記】文章のリズムを意識する。

「20歳の自分に受けさせたい文章講義」の第一講を読んだので、自分なりにまとめておく。

  • 文体とはリズムである

  •  視覚的リズムを考える

  • 聴覚的リズムを考える

  • 断定することでリズムを持たせる 

 

まず、そもそも文体とは何かと言うと、それはリズムのことである。ここで気をつけなければならないのが、「リズム」とは決して感覚的なものではなく、どこまでも論理的なものであるということだ。

 

つまり、文章のリズムは「論理展開」によって決まる。論理的であるかではなく、「論理」を「どう展開するか」が重要である。

 

論理破綻に気づくためのキーワードは、「接続詞」だ。みんなもっと接続詞を使うべきであり、大切なのは接続詞をあいまいにしないことである。

 

そして次に意識すべきは、「読者は文章を”眼”で読んでいる」ということ。

そのために、まずは視覚的リズムを意識する。

 

視覚的リズムとは?

わかりやすくいえば、文字や句読点が並んだときの、見た目の気持ちよさだ。本屋さんでパッと本を開いた瞬間、ネットのブログ記事を見た瞬間、受け取ったメールを開いた瞬間。読者はこの一瞬で「なんか読みやすそう」「なんか読みづらそう」を判断している。 

 

視覚的リズムを生む3要素は以下3つ。

  1. 句読点の打ち方
  2. 改行のタイミング
  3. 漢字とひらがなのバランス

 

そんな視覚的リズムをとるための著者のアドバイスは、

  • 一行の間に必ず句読点をひとつは入れる。
  • 改行のタイミングは早くていい。最大5行あたりをメドにする。
  • 漢字とひらがなのバランスを考える。

 

要するに、視覚的なリズムを邪魔するものとは圧迫感なのである。

 

そして次に、聴覚的リズムを考える。聴覚的リズムとは、耳で聴いたときのリズム、実質的には「音読したときのリズム」のことだ。

 

音読してチェックすべきは次の2点。

  1. 読点「、」の位置
  2. 同じ言葉の重複

 

読む(黙読)という行為が受動的になりやすいのに対し、能動的に行われる音読は自分と作者との差異が明確になりやすい。そのため音読は、自分に客観性を持たせる助けになる。

 

最後に、文章にリズムを持たせるもうひとつシンプルな方法が、断定である。

 

 断定の言葉には、文章の論理性や正確性をも凌駕しかねない切れ味の鋭さがあり、リズムと勢いがある。しかし、断定の言葉はその切れ味の鋭さゆえのリスクが伴う。断定の言葉は、あまりに強すぎるのだ。

 

断定はハイリスク、ハイリターンである。だからそれを避ける人は多く、そうするとどうしても歯切れの悪い言葉になる。つまりリズムが悪くなり、かっこ悪い。

 

ではリスクの高い断定という方法を使うためにどうするかというと、論理を使う。断定する箇所の前後を、しっかりとした論理で固めるのである。できるだけ論理を正確にし、細心の注意を払うこと。

 

著者的には、みんなもっと断定すべきだと思うそうだ。

 

自信があるから断定をするのではなく、自信を持つために断定する、というアプローチを考えてもいいのではなかろうか。

逃げも保険も打たず、力強く断定すると、それだけで言葉に説得力が出る。

言葉に説得力があると、周囲の人たちは信頼してくれる。

周囲からの信頼を実感できると、自信が湧いてくる。

自信があるから断定するのか、断定するから自信が湧くのか、どちらが先なのかは大きな問題ではないだろう。

読者は説得力のある言葉を求めており、言葉の説得力は「断定というリスク」を冒してこそ生まれるのだ。