【読書日記】「嫌い」を掘り下げてみる。
「好きなことは何ですか?」
こう聞かれて、困ってしまったことはないだろうか。
私は、ある。なんならいつも困っている。
「本が好きです」
「カフェが好きです」
「散歩が好きです」
そんな風に答えていたけど、よくよく考えてみると、嫌いな本も嫌いなカフェもたくさんあるし、どんな道でも散歩したいわけじゃない。むしろ「嫌い」の方が多いかもしれない。
ではいっそ、「嫌い」について考えてみてはどうだろうか?
こんな本は嫌い。こんなカフェは嫌い。こんな道は嫌い。こんな人は嫌い。
じゃあそれはなぜなのか。どんなところが嫌いなのか。
そうやって考えてみると、「嫌い」の感情もあながち悪いものじゃないことに気づく。むしろ「好き」のヒントを与えてくれていたのかもしれないのだと。
「嫌い」を冷静に見つめて、認めて、考察してみることも悪いことじゃないんだと、最近はようやく思えるようになった。少しくらいは、心に余裕ができたってことなのかなあ。
本を読むにあたっては、手当たり次第に読んでみること。
しかし、そこで下手に”お勉強”しようとせず、自分の好き嫌いをはっきりさせながら読むこと。
言い換えるなら、思いっきりわがままで、感情的な読者になること。
そして自分が”嫌い”と感じた理由を、徹底的に掘り下げてみよう。生理的な”嫌い”の理由を、言葉にして考えてみよう。
そうすることで、書き手としての自分がどうありたいのか、これからどんなところに注意すべきなのか、自分の個性とはなんなのか、さまざまなことが明らかになるはずだ。
”嫌い”のなかには、往々にして”好き”以上に根深い理由があるのだ。
たまには自分からは選ばなそうな本も読んでみるかな。