パンの耳がすき

読書日記と、たまにカフェ日記。植物日記も。

【書評】国語は科学だ!そして創作とは建築学である! 三田紀房『ドラゴン桜2(6)』

「生まれてすみません」 聞き覚えのあるフレーズとともに登場した国語の特別講師、太宰府治。 そんな太宰府先生が重要視するのが、読解力だ。 本書は、皆さん知っての通り、東大受験漫画である。 そして本巻は、国語集中巻となっている。 全ての教科で必要な…

【書評】人は助けてくれる人ではなく、助けてあげたい人を好きになる DaiGo『なぜかまわりに助けられる人の心理術』

あなたにとって、一番大切な人は誰ですか? そしてその「大切な人」は、あなたをいろいろと助けてくれる人ですか? それとも、あなたのほうが相手をいろいろと「助けてあげたい」と思う人ですか? 私たちは常に、大きな勘違いをしている。 例えば、母親は赤…

【書評】人は常に何かを盲信したがる。 ジェームズ・クラベル『23分間の奇跡』

国とか学校とか会社とか宗教とか親とか。人はなぜ何か一つのことや、誰かを盲信したがるのだろう。たしかに、身を委ねられる相手がいると楽だ。自分は何も考えなくていいんだから。けれど思考することを放棄したら、果たしてそれは自分の人生を生きていると…

【読書日記】経済の意味ってなんだろう。 影山知明『ゆっくり、いそげ』

経済とは元々、中国の古典に登場する言葉で、「経世済民(=世をおさめ、民をすくう)」の意であるとされる。国内でも江戸時代には使われていたようだ。言葉としては、政治や生活も含めて「社会をつくる」というニュアンスすらそこには感じられる。 それがい…

【読書日記】答えは今ここにあるんじゃないだろうか。 影山知明『ゆっくり、いそげ』

例えば、お店の評判や認知度を上げたいと思うとき。一つの方法は広告宣伝費を大量に使うことだが、実はそれよりも、お店を訪ねてくださるお一人お一人に丁寧に向き合うことを積み重ねていった方が、長い目で見たら近道ということは大いにある。 かと言って、…

【書評】本好きはとてつもない共感を味わえる本。 阿久津隆『本の読める場所を求めて』

「人の読書離れを憂うな」 こんな言葉が本書にでてきた。ほんとそうだと思った。読書が好きな人にとって、読書とは何だろうか。楽しい、好き、趣味。それだけだ。食べるのと同じように、しないでは気が済まない。満たされない。ほんとは気づきや学びとかどう…

【気になる本】読書とは? 保坂和志『この人の閾』

「真紀さんこれからずーっとそういう本読むとしてさ、あと三十年とか四十年くらい読むとしてさ___、本当にいまの調子で読んでったとしたら、けっこうすごい量を読むことになるんだろうけど、いくら読んでも、感想文も何も残さずに真紀さんの頭の中だけに…

【読書日記】絶対行ってみたいお店。阿久津隆『本の読める場所を求めて』

会話のない読書会なるものが開催されているらしい。なんて素敵な会なんだろう。ぜひとも参加してみたいし、自分も開催してみたい。 読書会というもの自体は、いろんなところで開催されてるようだが、初心者にとっては少しハードルが高いように感じる。頭の良…

【書評】人間の自己肯定感は、読書によってコントロールできる。『自己肯定感を上げるOUTPUT読書術』

著者は書評YouTuberである。難しくてなかなか手を出しづらい古典作品を、とてもわかりやすく噛み砕いて説明してくれるので、評者は日頃からとてもお世話になっている。低めの渋い声が魅力的で、ダンディーでかっこいいおじさんを想像しながら本の説明を聞く…

【書評】深海魚仲間を見つけに行こう!『今日も明日も「いいこと」がみつかる 「繊細さん」の幸せリスト』

HSPと言われる、生まれつき繊細な人がいる。日本では「とても敏感な人」「敏感すぎる人」と訳されているが、著者は親しみを込め「繊細さん」と呼んでいる。そんな繊細さんは生まれつきもつ繊細さを、もっと大切にしていい。むしろ繊細さを大切にすることで元…

【書評】「柳は緑、花は紅」。私たちは自然の一部でしかなくて、身構える必要などない。スタジオジブリ・プロデューサー鈴木敏夫氏が三人の禅僧と禅問答。『禅とジブリ』

ジブリ作品には、禅としても学べることがたくさん詰まっている。 例えば、禅で、梁の武帝が「お前は何者だ」と達磨に訊くと、達磨は「不識(わからない)」と答える、という問答がありる。「もののけ姫」では、ヤマイヌのモロが主人公の少年アシタカに「お前に…

【書評】平凡な主婦が南極料理人に!『南極ではたらく』

昭和基地は文明社会の縮図のようなもの。 日本では当たり前のことが決して当たり前ではない。そんな南極生活に、自分にできることは何なのかを必死に模索しながら、平凡な主婦が挑戦する。 著者が南極へ行きたいと思ったきっかけは、子育て中に朝刊で見た1枚…

【書評】雨の日に読みたくなる本 中村文則『何もかも憂鬱な夜に』

何かを破壊したい、と思ったことはないだろうか。 誰にでも、ある時期には、どうしようもない破壊衝動のようなものが沸き起こってはこないだろうか。こんなことを、こんな混沌を、感じない人がいるのだろうか。 施設育ちの刑務官である「僕」は、夫婦を刺殺…

【書評】なんでこんなにちびまる子ちゃんの世界が好きなんだろう。

ちびまる子ちゃんが好きだ。 ずっとあの世界にいたい。今だに日曜日の18時になると「あ、ちびまる子ちゃん、、、」と思う。子供じゃないんやから、とか、どんだけ暇やねん、とか、誰になんと言われようと、好きなものは好きだ。 本書では、ちびまる子ちゃん…